ブラッディ アリス



「…いくつだったかしら……歳は…」


「23です」


「そう……23…か…」




ルナリアは月夜を見上げた。





「…17年前……ちょうど…私とリナリアがアリスくらいの年頃で、リナリアのお腹にアリスがいたとき……マリア家の血を引く…双子の男の子がね、行方不明になったのよ…」

ピンク色の唇から、意味深に語られる…マリア家の過去…。

「…その同時期にね……マリア家の大切な物が…盗まれた…」

ルナリアは「ふぅ」とため息をつき、庭に咲く無数の花々を見つめる…。


「……それが…なにか…?」

ラビは無表情でルナリアを見ながら、冷たく言葉を返した。


「…その…男の子たち……生きていれば、あなたと同じくらいだなぁと思って…」

ラビに顔を向けたルナリアは、にっこりと笑顔を見せる。


「……そうですか…」



お互いの心の内側を探ろうとするかのように、再び二人は見つめ合う…。






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