ブラッディ アリス



「本当です。ナナリ様はおっしゃっていました…。…三年前のコンサートの期間…お付き合いしていた方がいて、その方と私が似ていると…」

「そ…そんな理由で…?…ありえない…!」

アリスはラビの真っ直ぐな眼差しに、少し身を震わせた…。

「…う…そ…」


…兎の目…嘘をついているようには見えない…。



「私も記憶障害があるので…『覚えはないが、抱いてみれば何か思い出すかもしれない』…と…軽はずみなことを言ってしまったのですが……まさか本気にしてしまうとは…」

ラビは申し訳なさそうに目を逸らす。


「…でも……どうして…?……抱かれただけで…あんな……?」


…あんなに変わるもの…?


「……よく…わかりませんが…。……ナナリ様は…アリス様や…この家に不満があるご様子でした…。…行為の途中で、突然いろいろなことを語り始め……最終的には、『あなたには私の執事になってほしい』と…」

「……それで……あなたはなんて答えたの…?」

「私は…アベル家当主専属執事として任命されております…と…」



その一言で、あのナナリの放った言葉の意味を理解したアリス…。




「……そう……」




それほどまでに…この男には…魅惑的な技量があるというの…?






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