ブラッディ アリス
「…事件です。アリス様」
気がつくと、落ちていた体はしっかりと地面に足をつき、目の前には頭が白兎の人間が立っていた。
「事件?」
「事件です。早く屋敷へ」
アリスは兎に言われるがまま、屋敷の扉をゆっくりと開く…。
…べちゃっ…。
一歩踏み入れた足が、真っ赤な液体を踏みつけた。
「…これは…」
「事件ですよ。だって使用人が全員殺されているでしょう?…ほら」
床に倒れている無数の人間。
ずっと一緒にいた人たち。
毎日見ていた顔ぶれ。
「みんな…」
真っ赤になって死んでいる。