ブラッディ アリス



「でも、あなたは平気なんです。そういう教育を受けてきたから」


ナレーションのように、アリスの横で兎が言った。



「…事件を解決しないとね…」

兎が屋敷の中を進む。

アリスも無言でついて行く。


「ほら、お父上も、母上も…殺されている」


横たわった父様…、父様に手を伸ばすようにして倒れている母様。


辺り一面…血だらけ…。



「犯人は…誰でしょう?もしかして…もうわかってる?」

兎は楽しそうに、血の上を歩き回る。

「…わからない…」

アリスが首を横に振ると、突然周りの景色が歪み始めた。


死体は消え、血の海も消え、屋敷も消え…。


「『七つの大罪』をクリアしないとね♪…クリアすれば犯人に会えるかも」

兎はアリスの肩をポンッと叩く。

「でもこのことは秘密…。誰かに漏らしちゃうと…ゲームオーバー♪」

「カイルは知ってるわ。親友だもの」

「あーあ…。全てが終わるまで、他人を信じちゃいけないって言われたじゃん…」



兎はがっかりしたように、眉間にしわを寄せて言い放つ。



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