愛しすぎて。短編集


「どうして…別れるってあの時言ったの」


そう言うと驚いた顔をする亜由紗。


そして口を開いて



「その他に何て言えばよかったの」


と俺の目を見て問い返してきた。


そんな言葉が返ってくるなんて予想していなかったから、口を開けず目線を亜由紗から外す。



「突然尚輝が態度冷たくなって、怒ってるって聞いてもなんでって言われて。
一緒にいても会話もない。
それなのにそれに気付かない振りをして、付き合ってく事なんて私には無理だよ。」



「違うっ」


思わず大きな声を上げてしまった。



「あっ…ごめん。大きな声出しちまって。
俺は…怒ってるって聞かれたかったんじゃない。
亜由紗の口からちゃんと言ってもらいたかっただけなんだ。」



「どういう意味」


亜由紗は首を傾け、そう言った。





< 20 / 58 >

この作品をシェア

pagetop