粉雪


そんな奴は無視して、
大塚君の姿を探しに教室を出る。

どこにいるのっかっなっ♪

--なんてノリノリになったの初めて...。


教室の突き当たりの廊下を歩いても大塚君の姿が見当たらない。


いないなぁ...。

はー、っとため息を付いて次の授業に向けて仕方なく教室へ足を運ぶ。


ガラガラ...

ドアを開けた時、一瞬声が聞こえた。

--女の子??

また廊下に出て、あたりを見回す。

「あの...だめ...ですか?」

次ははっきりと聞こえた女の子の声。
あ、廊下の途中にある音楽室だ。


音楽室のドアの前で盗み聞きをしてしまう。



「ごめんね?今僕には好きな人がいるんだ。どうしても忘れられないから、さ。」

あれ?

どこかで聞いた事のある声....


大塚君....?


「....そ、そうですよね!私ったら一目惚れで大塚君に告白したりしてさっ!
バカですよね!...すみませんでした!!」


泣きながら頑張って声を明るくしようとする女の子。


「ううん、嬉しかったよ?僕を好きになってくれてありがとう。」

優しく答える大塚君の声。



「...ありがとうございました...」

暗い声でそういうと、

足音がドアへと向かう。


あっ!

あたしドアの前突っ立ってちゃだめじゃん!?


慌てて普通に廊下を通った人を演じる。









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