トラックで輝く君を
蜜菜は窓の外を見つめた。

…いつから、そんなに強い瞳をするようになったんだろう。
外を見つめる蜜菜は、私が知っている脆くて儚い彼女じゃない。





「素直になりなよ。
蜜菜のその気持ち…せっかく芽生えたんだよ?大切にしてあげないと。」



「……うん。」



「迷う理由なんて、どこにもないじゃない?
答えが出たから、私に話してくれたんじゃなかったの?」



「そうだよね。うん、ゆかり…本当にありがとう。
少し、私の話を聞いて?」





蜜菜は、ぽつりぽつりと自分の想いを私に聞かせてくれた。










それは、こう。





お正月にある部員の男の子に告白されて、やっぱり自分は鈴木くんのことが好きだと思ったんだとか。

その男の子のことももちろん好きで、一緒にいるのは楽しいけど、それは友達として。

けど…、鈴木くんは違う。
そばにいてほしい、って思うんだよね。
一緒にいたいんだ、と。



今まで、花田くんのことを理由にして逃げていたんだって。…花田くんを裏切りたくなくてって思い込んで。

それに、また同じことが起こるんじゃないかと怖くもなったらしい。それは、私にも納得だった。





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