トラックで輝く君を
鈴木くん…ではないみたい?

焦っているのか、言葉足らずでイマイチ話見えてこない。





「その告白してくれたっていう部員は鈴木くんではないわけね?」



「…うん。でも、大切な友達。」



「そっか。その人と微妙な関係とかにはならなかった?」



「何もなかったみたいにいつも通りだよ。」





…ずいぶん紳士的な人。

同年代に、そんなに大人な男の子がいるとはね。…蜜菜もか。





「私は…蜜菜が前に進むなら嬉しいし、いい事だと思う。
きっと、花田くんだって、蜜菜が笑っているほうがなによりも幸せだって思ってるよ。」










花田くん。

それは……蜜菜の元彼。
訳あって今は付き合ってない。









「…そうかな?
治也なら、俺のことずっと想っててよ、とか言いそう。」





…なんとも否定できない。

実際、花田くんは蜜菜しか見えていない節があったし。



けど…心から優しい人で、
誰にでも平等、しかも嫌な仕事とかも引き受けてくれて、率先して行事も盛り上げてくれた。





そして誰よりも、蜜菜のことを大切にしてた。

……幼い中学生ながらに。





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