トラックで輝く君を

過去と未来 side Mitsuna

ゆかりからの手紙に気がついたのは、ゆかりに会った次の日。部活から帰ってきてからだった。





「ゆかりちゃんから、メモが届いてたわよ。ほら、そこに。」





母親が指す先には、小さく折られたメモ紙が置いてあった。





┌───────┐
│       │
│ 蜜菜へ☆彡 │
│       │
└───────┘





差出人は書いてないけど、中学の頃によくやってたからか、母親にもわかったらしい。





「うん、ありがとう。」





そのメモを読んで、私は涙が出てきて困った。
やっぱ、ゆかりは最高の親友。





「がんばらなきゃ。」





呟いて思った。





私は、過去に縛られていた自分に酔っていたんだ。





こんなに辛いことがあったんだよって…可哀想でしょ?って。





可哀想な自分が可愛かった。



無駄に悩んでる自分が嫌いじゃなかった。





別に、そうやって生きていくことを否定はしないけど、私は…嫌。

だってつまらない。





わざと進まないようにしてきた今までが悔やまれた。





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