トラックで輝く君を
「尚香、ありがとう。」



「別に。」





そうそう。
尚香は照れるといっつも

別に

って言ってそっぽ向くね。
…気付いているのかな?





「ごめん、引き止めて。
今からでも部活行きな!愛しい人が待ってるはずだよ。」





愛しい人…か。
今、涼ちゃんにすごく会いたい。





「うん、行く。
本当にありがとうね。またね。」



「グッドラック!」





私は食堂を飛び出して、ジャージに着替えてグランドへ走った。

早く、顔が見たかったの。





…笑ってくれたらいいな。





「遅れてすみません!
…こんにちは。」





みんなは、遅れた私を笑顔で迎えてくれた。…優しいな。





「なんかあったの?」





涼ちゃんは、私に笑顔を向けてくれた上に声までかけてくれた。





はぁ……好きだな。





「友達と話してた。」



「……そっか。」





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