トラックで輝く君を
「暇そうだね、ほい。」





「あ、はいはーい。」



基本走の合間に、ジャージを置きに来たのは1年生の和田将也くん。



一応、400Mの選手を目指すと言っていた。中学ではバレーボールをやっていたらしい。

それを聞いたときには、少し仲間意識を感じた。





「まさくん、心配サンキュ。練習に戻りな!」





「あーっす。」





まさくんは話しやすい。

…バレーボール仲間だから?





「あの、今日のメニューは?」





いきなり背後から声がして驚いてしまった。





「細川先輩、遅れですか?…あ、こんにちは。」





「ちょっと。…アップ行きます。ジャージ頼みます。」





2年生の細川先輩。

見た目はチャラい系なのに
それに反した無口でクールな性格をしている。


800Mの選手で、速い。


中学の頃からけっこう有名な選手らしい。


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