【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-
私ははぁっと溜息を着…けなかった。



突然、いつもの愛しい爽やかな香水の匂いが私を包み込んだからだ。



「みーつけた。」



低く、甘い声が私の耳元を支配する。



「なんで分かったんすか?」



「気良、人混み嫌いやから。」



勇将先輩は私を更に強く抱きしめる。



「それだけで良くここに辿り着きましたね。」



勇将先輩は黒目がちな目をくりっと私に向けて微笑んだ。



「そんなもん、簡単やで。俺には気良センサーがついとるねんから。」



「私センサー?」



楽しそうな勇将先輩の返答になんだか可笑しくて笑ってしまう。
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