僕と彼女のウラ事情
「あ、もうすぐチャイム鳴るから
席つくね!3人とも、ばいばい」
そう言って美吉は席に走って行った。
・・途中で、ピタッと立ち止まった。
どうしたんだろうと思い、停止気味の
体をがんばって動かして、彼女を見た。
「大輝君っ!次も頼りにしてるよ☆」
美吉は、僕の目を見て笑いかけて行った。
「・・・・・・・っあぁ~!!!!」
そして、美吉が席に着いたと同時に、
僕は席に崩れ落ちた。
浩太と湊の笑い声なんて耳に入らない。
・・・何なんだろう、美吉は。
めまぐるしく変わる表情で、
甘い言葉で、視線で、仕草で、
僕を喜ばせたり、ドキドキさせたり。
も・・ほんと、心臓もたない・・・。
机に顔をつけたまま、前の席の浩太に
小さな声でたずねてみた。
「・・ねぇ。勉強教えるって、
こんなに心臓に悪かったっけ・・・」
「本来は悪くないものですョ☆」
チャイムが鳴って、先生が入ってきた。
「しっかし、慌てる大輝かわいかったな」
「・・・・・・・」
僕が弱ってるのを良い事に・・・・・。
あいにく今の僕は。
急なドキドキと美吉の言葉で。
胸がいっぱいとゆうか、
言い返す気力が無いワケで。
浩太には、
号令中に膝カックンをお見舞いしてやった。