僕と彼女のウラ事情
「そ・・・そこはですね・・・・」
後ろは壁で、前は美吉。
逃げ場をなくした僕は、真っ赤な顔で
問題を教えるしか、・・・無い訳で。
「さ、さっきの式を応用して・・・」
「あ、そうやって解くんだぁ!!」
美吉の顔は、変わらず至近距離で。
「・・・・っ!」
風が吹いて、甘い香りがした。
・・・多分、美吉から。
そのことに気付いた途端、体温が
ボッ!!と上昇した。
「すっごいなぁ、大輝君。
尊敬するよ♪」
目の前で、美吉が微笑む。
・・その表情に、弱いんだってば・・
「本当にありがとうね。
全然わかんなかったの!
・・やっぱり大輝君はかっこいいね」
「・・・っ!!!!!」
この距離で、そのセリフ。
僕の中で嬉しいやら恥ずかしいやら、
いろんな感情が物凄いスピードで
かき混ぜられて。
「・・・・・」
ショートした。