僕と彼女のウラ事情
「・・・はぁ~・・・」
階段を降りながら、無意識にタメ息。
・・・美吉さんに見られた。
‘優しい紳士”
・・・なんて、女子の勝手なイメージ。
だけど、そう思っていた奴が。
『刺しますよ?』
なんて真顔で言って、冗談だけど
友人にシャーペン刺そうとしている所に
遭遇。
僕のイメージは多分最悪になった・・・。
ウラオモテの激しいエセ紳士だって・・、
思われたんだろうな・・・・・・。
そう思った瞬間、僕の肩に
10トンの重りがのしかかった気がした。
・・・・やっぱり、今年の夏休みも。
男とばっかりいる事になりそうだ。
「・・あー、バイトの時間・・」
靴箱に手をかけて、ケータイを見て
つぶやいた。
ギリギリかも・・・。急ごう。
急いで靴をはき、走り出そうとした瞬間。
「━・・っやめて下さい・・っ!!」
・・ドクッと、鼓動が高く・・・鳴った。
声のした方向をゆっくりと見つめる。
・・・校舎裏からだ。それに、
あの・・声。
「やだ・・っ!誰か・・・!!」
「静かにしろ・・っ!!」
彼女の声と、男の声。
「・・・っ!!」
僕は鞄を放り出して、走っていた。
・・・・バイトの時間・・?
そんなもの。
気にしてられない・・・っ!!