☆三つ星☆
「そういうことだと思うんだ。確かに私には両親がいない。それは事実だし、とても寂しいことだと思う。でもね、だからこそ得ることが出来たことってあると思うんだ。寂しいから、寂しさから耐える方法を学んだ。人の温もりを感じることがいかに幸せかを知った。これってきっと、普通の人には味わえないことじゃない?そう考えると、不謹慎だけど、両親がいないって事実は私の人生の糧になることだと思うんだ。そこからしか得られない何かがあるんだと思う。今はそれが何か分からないけれど…」
早苗は窓に背を向け、んっと背伸びをする。
< 111 / 114 >

この作品をシェア

pagetop