☆三つ星☆
「そうかもな。病気も同じかもしれない。病気をしているって事実は、生きている自分にとっては悲しい事実。でも、見方を変えると、病気の自分だからこそ得られるものがあるのかもしれないね。」


一貴は納得したかのように、そう言った。

「だからね、過去の記憶に縋って生きるのはやめようと思うんだ。確かに、お母さんやお父さんは大好きだし、忘れたりしたらいけないんだと思うけど。『孤独な過去』があるのならば、『誰かと一緒にいる未来』を作ればいいと思うの。だからね、私は新しい星を見つけようと思うんだ。あっ!天文学者になるって意味じゃないよ?そういう意味じゃなくて…」

早苗はどう言おうか考え込んでいる。

「なんとなく…だけど言いたいこと分かるよ。でも、見つける必要はないと思うな。」
えっ?と思う。
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