ベンジャミンの窓辺で
宴会が終わり、あたしは眠りこけた真衣を担ぎながら暗い夜道でタクシーを待っていた。
掴まえようとしても、なかなかタクシーは来ない。
(歩いて帰ろうかな…)
そんなことを思った時だった。
「すみません、野崎葉月さんでいらっしゃいますか?」
「…!」
驚いて振り返ると、一人の青年が立っていた。
180以上はありそうな長身で、真衣を担いでいたあたしは、見上げなければ顔が見えなかった。
「は…はい…」
(何!?ストーカー!?痴漢?いや…何よ!??)
「突然ごめんなさい。自分はこのようなものです」
男は名刺を取り出して、あたしに差し出した。
《西園寺 蒼》
「さいおんじ…あおいさん?」
「あおいと書いて、そうと言います」
「さいおんじ そうさん…あのあたしに何か…てゆかなんで、あたしの名前?」
「そうですね、ここだとなんですし。お連れ様も一緒に御家までお連れしますよ。どうぞ、あちらの車へ」
彼が差し出した手の先には、何故か真っ白なベンツ。
そしてその後ろには3台の黒い普通車がお供するように止まっていた。
掴まえようとしても、なかなかタクシーは来ない。
(歩いて帰ろうかな…)
そんなことを思った時だった。
「すみません、野崎葉月さんでいらっしゃいますか?」
「…!」
驚いて振り返ると、一人の青年が立っていた。
180以上はありそうな長身で、真衣を担いでいたあたしは、見上げなければ顔が見えなかった。
「は…はい…」
(何!?ストーカー!?痴漢?いや…何よ!??)
「突然ごめんなさい。自分はこのようなものです」
男は名刺を取り出して、あたしに差し出した。
《西園寺 蒼》
「さいおんじ…あおいさん?」
「あおいと書いて、そうと言います」
「さいおんじ そうさん…あのあたしに何か…てゆかなんで、あたしの名前?」
「そうですね、ここだとなんですし。お連れ様も一緒に御家までお連れしますよ。どうぞ、あちらの車へ」
彼が差し出した手の先には、何故か真っ白なベンツ。
そしてその後ろには3台の黒い普通車がお供するように止まっていた。