オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
どうしようか……


あたしは心底悩んだ。


困った。


くしゃみした。


あんな逝っちゃった方とどうやってプリクラなんぞ撮ればいいのか。


英語で喋ればイイデスカ?


あたしはありとあらゆる手段を尽くしてみたけど、ヲタ男はこちらの存在すら認識してないみたいで。


気分を変えるために二階に上がって、少し休憩する事にした。


炭酸入りオレンジジュースを自販機で買い、片隅にある傷んだ木製の椅子に座ってチラリと時計を見れば、もう7時近くになっていた。


なぜかあたしはふと小さな窓が気になって、そちらに吸い寄せられるみたいに見た。


小窓に面した道は裏道で細いけれど、住宅街や飲み屋なんかに続いているから夜でも人通りが絶えない。

窓から見える空にはすっかりと夜の帳が降り、等間隔に配された街灯が行き交う人たちの姿をぼんやりと浮かび上がらせる。


家路に急ぐサラリーマン、部活帰りの学生、犬の散歩をする人、買い物帰りの主婦、ウォーキングやランニングをする人たち。

友達連れやカップルだって珍しくない。
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