オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
小窓から見えたのは、ふつうの見なれた景色ばかりじゃなかった。
行き交う人たちの足元の陰が、湯気みたいにゆらゆらと揺れているのが見えたから。
あのスタバで見たのと同じような。
き、気のせい、だよね。
きっとビデオゲームの画面ばっかり見たから、目が霞んで……
それか、湯気か煙が重なったからそう見えるだけ……だよね?
あたしは小窓から目を離すのに気力を総動員して、視線を無理やり引き剥がした。
少し温くなったオレンジジュースのプルタブに右手の人差し指をかけて一気に引くと、プシュッ、と炭酸の抜ける小気味よい音がして、気分を落ち着けようと一気に喉に流し込んだ。
炭酸が鼻から頭に突き抜けるような心地いい刺激をくれて、ほんの少しだけ動悸が収まった。
あたしはなぜだかわからないけど、今日はこのゲーセンがひどく嫌な感じに思えた。
こんな気分でいなきゃいけないくらいなら、明日ユリに謝った方が100倍マシだ。
ヲタ男は最初からあたしの存在すら認識してなかったみたいだし。
行き交う人たちの足元の陰が、湯気みたいにゆらゆらと揺れているのが見えたから。
あのスタバで見たのと同じような。
き、気のせい、だよね。
きっとビデオゲームの画面ばっかり見たから、目が霞んで……
それか、湯気か煙が重なったからそう見えるだけ……だよね?
あたしは小窓から目を離すのに気力を総動員して、視線を無理やり引き剥がした。
少し温くなったオレンジジュースのプルタブに右手の人差し指をかけて一気に引くと、プシュッ、と炭酸の抜ける小気味よい音がして、気分を落ち着けようと一気に喉に流し込んだ。
炭酸が鼻から頭に突き抜けるような心地いい刺激をくれて、ほんの少しだけ動悸が収まった。
あたしはなぜだかわからないけど、今日はこのゲーセンがひどく嫌な感じに思えた。
こんな気分でいなきゃいけないくらいなら、明日ユリに謝った方が100倍マシだ。
ヲタ男は最初からあたしの存在すら認識してなかったみたいだし。