オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
中学のプラネタリウム見学は腹痛でダメになるし。


いただいたシルバーペンダントはひったくりに遭って、新聞配達の最後の給料ごとなくすし。


人生が走馬灯みたいに思い返せるのは、いよいよ最後ってこと?


あたしは無駄でも、力の限りに抵抗した。


こんなところで死にたくない!


あたしにはまだやりたいことがあるし、お母さんにだって!


あんな風なお母さんを遺してなんて逝けない!


お父さんに裏切られた上に、あたしまでいなくなったら!


あたしはそう思ってるうちに息が苦しくなり、意識が朦朧としてきた。


その瞬間だった。


パンッ、と何かが弾けるような鋭い音がしたかと思うと、あたしを締め上げてた大蛇の力が弱まった。


喉に一気に空気が流れ込み、あたしはその場に崩れ落ちると首をおさえてむせた。


視界が涙で滲んでぼんやりとしか分からなかったけれど。


そんなあたしの耳に、とんでもない声が飛び込んできた。


「ふん、さすがは超が付くバカだな。自分から危険に飛び込むとはな」
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