オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
あたしは思わずチカの腕を掴んでた。
「チカ、チカでしょ?なにしてるのよ!」
あたしがチカの左腕を掴んだまま言うと、隣にいたホスト系の男性が
「なにしやがんだ、このブス!」
とあたしの腕を乱暴に払いのけようとした。
(おじいちゃん!)
《おっけ~じゃ!任せなされ!》
あたしが心の中で喚ぶと、アプレクターじいちゃんは素早く男の後ろに回り込み、いつもはタッチするために使う腕を伸ばして男を羽交い締めにしてくれた。
「わ……なんだこりゃあ!体が動かねえ!!」
男は情けないことに脅しが効かないとなると、オレが悪かったと懇願し始めた。
そんな男を放っておき、あたしはチカをひと気のない駐輪場に連れ込んだ。
チカはもちろん散々抵抗したけど、あたしの方が腕っぷしは強いから、最後は観念したのか、彼女はもう逃げようとしなかった。
腕を離して向かい合ったあたしは、さっきと同じ問いを繰り返す。
「チカ、どういうこと!?いったいなにしてるのよ!」