オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



翌日の11日に遠井家を訪れたあたしたちは、驚くべき光景を目の当たりにした。


決して遅くない午前8時にお邪魔したんだけど。


その時にはもうナギと命さんがいて、白装束に身を包んだ2人は、息のあった連携で白きアプレクターたちを減らしてゆく。


命さん自身はアプレクターをどうこうできる力はないけれど、ナギに力を送り助ける事が出来る。


あたしはそれをイヤと言うほど見せつけられた。


ナギは以前のように剣を振るうでなく、自分を犠牲にする風でもなく。


あたしが聴いたことのない呪文みたいな言葉を延々と繰り返し唱えてただけ。


命さんがそれに併せて復誦しただけで、命さんの霊力がナギに力を与え、アプレクターたちを還らせてる。


その様子がはっきりとあたしには視えた……。


それに、いちばん弱い力を持つマモル君まで、それを目の当たりにしたからか

「ここで俺たちの出番はないみたいだね」

と認めたから。


あたしたちは逃げるように遠井家を後にして、急遽村田家を訪れた。


< 422 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop