オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




ふがいなくも倒れてしまった11日から12日にかけての夜。


あたしは久しぶりに黒髪の王子様の夢を見た。


王子様はただ黙ってあたしを見てたから、あたしは恥ずかしさから何も言うことが出来なくて。


でも……


王子様はただ一言こう言った。


《もっと自分を信じ、生命を信じなさい。
邪な存在は自然の中であり得ないのだから》


そう告げられて、あたしはやっと気付いた。


対症療法のように、ひとつひとつのアプレクターをどうにかしても仕方ない。

元を断たねばどうしようもないのだ、と。


《杏子殿、わかったぞよ。
やはりあの黒き存在の大元は1000年樹じゃった。
あの地をずっと見守り続けた大樹の無念の想いが、黒き存在となり果てて渦巻く邪念の芯となっておる》


黒きアプレクターの一部をちぎってサンプルみたいに持ち帰った、アプレクターじいちゃんがそう断じた。


じいちゃんはアプレクターのかけらを2日かけて調べてたから、何らかの結果は出ると思ってたけど。


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