オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
7
ふがいなくも倒れてしまった11日から12日にかけての夜。
あたしは久しぶりに黒髪の王子様の夢を見た。
王子様はただ黙ってあたしを見てたから、あたしは恥ずかしさから何も言うことが出来なくて。
でも……
王子様はただ一言こう言った。
《もっと自分を信じ、生命を信じなさい。
邪な存在は自然の中であり得ないのだから》
そう告げられて、あたしはやっと気付いた。
対症療法のように、ひとつひとつのアプレクターをどうにかしても仕方ない。
元を断たねばどうしようもないのだ、と。
《杏子殿、わかったぞよ。
やはりあの黒き存在の大元は1000年樹じゃった。
あの地をずっと見守り続けた大樹の無念の想いが、黒き存在となり果てて渦巻く邪念の芯となっておる》
黒きアプレクターの一部をちぎってサンプルみたいに持ち帰った、アプレクターじいちゃんがそう断じた。
じいちゃんはアプレクターのかけらを2日かけて調べてたから、何らかの結果は出ると思ってたけど。