オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



巨大な御神木アプレクターの隅々まで絡めとると、アプレクターじいちゃんは御神木のアプレクターに訥々と語り出した。

《なあ、同朋どのよ……わしは貴殿よりも若輩者じゃが、わしはどうしても貴殿を視るに耐えなんだ。
わしも人間には決して良い感情ばかりを抱いてはおらぬよ。
じゃが……
荒ぶる御霊よ。
思いだしなされ。そなたらが過ごした優しき日々を。
人は確かにそなたらに手ひどい裏切りをした。
じゃが、それが全てではなかろうて?
優しく懐かしい時もあったじゃろ?
それを思い出すのじゃ》

アプレクターじいちゃんの語りに合わせて、あたしも心から訴えた。


御神木さま……


確かに私たち人間は、最近になってあなたたちに酷い仕打ちばかりしました。


ごめんなさい。



どうか、もう赦してあげてください。


もう皆さんは十分に罰を受けたと思います。


反省をしていますから。


どうか、赦してあげてください。


民を優しく慈しんだあなただから、そうしてくださいますよね?


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