オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
体が、頭が、いつになく熱く、細胞のひとつひとつが震え神経の末端までが疼き痛み苦しかった。
黒きアプレクターからの憎悪や圧力も、やっぱり今までにないほど強く重くのしかかってくる。
もしもこれが風ならば、風圧だけであたしは形も残らぬほどに潰されたかもしれない。
……でも。
たとえどんな強い相手でも、こんな哀しみの連鎖は断ち切らなきゃ。
あたしにはなぜか解った。
御神木さま自身もこの状態は本意じゃなく、苦しみ嘆きもがいているのだと。
あたしは……
今までにない強い意志で、御神木のアプレクターを見つめ呪縛をかけようとした。
でも、御神木のアプレクターは力が強すぎるため、やっぱりあたし1人では力不足で。
これで限界かと思うほど力をかけた刹那。
《おじいちゃん!頼んだよ!!》
《おっけ~!任せなされ!》
白きアプレクターじいちゃんはあたしから伸びてゆき、御神木のアプレクターの芯に絡まってゆく。
まるで、樹を這う蔦のように。