オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「いいか?最初に言っておくが、救われただの助かっただの、というのはあくまでも一つの立場から見た面では確かに救われた、と言えるかもしれない。

だが、だからといって、それで遺恨が解消されるとは限らない。

熱い湯は真冬には有り難いが、真夏には鬱陶しい存在となり果てる。

見方を変えれば、物事は全く違った印象や捉え方が出来ると言うことだ。
だから、救われただの助けられただのと、安易に口にするな。
おまえは自分が安心したいが為に訊いたのかもしれないが、余計な事に気を回すな」


失礼男の話は少し難しかったけど、だいたいの事はわかった。


「わかったよ……あんたがこういう関連に詳しい、って事がね」


あたしは反対側のソファーに腰掛けて、腕と足を組んで失礼男を睨みつけた。


バカにされてたまるか!


あたしは精一杯の虚勢を張った。
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