オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
失礼男は剣を鞘に仕舞うと、後は用がないとばかりに立ち去ろうと……

……って!


ちょっと待てえい!


「ちょっと!こんな大変な目に遭わせておいて、なんの説明もなしなわけ!?
それに、あたしの質問にも答えてないじゃない」

あたしは失礼男に追いつき、通せんぼをした。


あたりはすっかり元通りの景色―ゲーセンの事務所に戻り、男2人は気を失って転がってたからそのまんまほうっておく事にした。


たぶん、朝には目が覚めて、見聞きした事は夢を見たと思うだろう。

常識で計るには非常識すぎる出来事が多かったから。


それよりも、失礼男の事よ!


あたしは仁王立ちになって腰に手を当て、彼を睨みつけた。


しばらく睨み合いが続いた後、失礼男は肩をすくめて部屋の中央に陣取った革張りのソファーに体を沈めた。


「あんたはアホだから、手取り足取りでないとやはり解らないか」


言うに事欠いて、今度は『アホ』ですか。


失礼男は顎に手を当ててしばらく沈黙した後にやっと口を開いた。
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