オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
たぶん昨晩はお店を開くどころじゃなかったんだろうな。
いつもはちゃんと片付けられている店内も、流しには洗い物がたまりっぱなしだし、黒を基調とした天板のテーブルには埃さえ目立ってる。
ペーパーやお箸や楊枝なんて消耗品もガラガラだし。
今度の騒動じゃあかなりダメージを受けたのかな?
亜美おばさんにカウンターの椅子を勧められたから、あたしとチカはとりあえずそこに腰をかけた。
「よく来てくださいましたわね。
喉が乾きましたでしょう。お茶がいいですか?それともジュースで?」
カウンターに入ってグラスを持ち出した亜美おばさんは、やっぱり口調もどことなく疲れが滲んでる。
時間もないことだし、あたしは回りくどい手順は踏まずにスパッと切り出した。
「亜美おばさんは娘さんのユリがもしここを出ていくとしたら、どうしますか?押しとどめて反対しますか?」
チカが視線であたしに注意を促してきたけど、あたしは敢えて踏み込む事にした。
たとえつらいことでも、はっきりとさせなきゃいけない。