オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



本当は親子同士で日にちをかけてゆっくりと話し合い理解すべき事柄で、他人のあたしが立ち入るべき問題じゃない。


だけど今は時間がないから、失礼を承知で訊いた。


亜美おばさんはあたしとチカにオレンジジュースを注いだ後、自分も冷や酒を開けてお猪口に注いで一杯、二杯と空け、ぽつりと小声を吐き出した。


「あなた方もご存知のとおりに、あの娘は父を知りません。
亡くなった恋人との子なんですから。
カレは私と同い年の幼なじみでして。
カレは村長の息子で、片や私は貧乏農家の娘。
私とカレが付き合ってると知られた時、私は彼から遠ざけられました。

秋に妊娠がわかった時、周囲に猛反対されましたが、私はカレの子を産もうと強く決心したんです。
だって、私とカレの大切な想いの結晶ですし。
この子は必要があってこの世に生を受けた。
そして、私を親に選んでくれたから。
世界中が敵に回っても、私だけはこの子の味方でいよう。そう自分に強く誓ったんです。
カレは私の妊娠を喜んで、産んでくれと言ってくれました。
自分が働くから、田舎を抜け出して一緒に暮らそうと」


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