オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
全てを話した亜美おばさんは大きく息を吐いて、乾いた喉を湿らせるのか、ちびりとお茶を飲む。
「ですから、どうぞお好きになさってください。
私ならば大丈夫ですわ。
たとえ遠く離れても、真由利は私の娘なのですから。
糸織家のコトも心配なさらずに。
お客さんの中には会社の重役さんもいますから、なんとかなりますわ」
それよりも、と亜美おばさんは壁掛け時計を目にして言う。
「こんなに時間を取らせてしまってごめんなさいね。あまり時間がないのに。さ、真由利に会ってやってくださいな」
「ウチならここにいるよ」
意外な声がしたのは、お店と住居を隔てる暖簾の向こうから。
隙間からひょいっと顔を覗かせたのは、他でもないユリだった。
相変わらず隙のないメイク……と言いたいところだけど。
今のユリは薄化粧もしてなくて、口紅をつけただけ。
でも。
その目に光った涙が、何よりもユリをキレイに見せてた。