オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「お母さんはいくら訊いても昔の話はしてくれなくて。
子ども心に何かあると思って寂しくてもガマンしてた。
でも、お母さんはあたしをこんなに想ってくれてた……
あたし、お母さんの娘でよかった。
ここまで育ててもらってよかった。
ありがとう。
ウチの目標にしてたのは誰でもない、お母さんだったんだよ。
こんなにステキなオトナのオンナになれる自信はまだないけど。
きっと、ウチはお母さんを超えるステキなオトナになるよ!
そして、幸せになる。
約束するよ」
ユリは暖簾のから出ると、お母さんに深々とお辞儀をした。
「今まで育てていただいて、ありがとうございました。
きっと幸せになります。
落ち着いたら絶対に連絡するから……
体には気をつけてね。
肝臓が少し悪いんだから、もう深酒はしないで。辛いものばかり食べないで、ちゃんと野菜も食べて、布団は毎日干して。
洗濯物もためちゃダメだよ」
涙を浮かべたユリはお母さんにそう言ってから、くるりと背を向けてあたしたちに明るく言った。