オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「チカに言われた通りに荷物を纏めといたよ!」
ユリはスーツケースをひとつとスポーツバックをふたつ手に提げて、カウンターから出てきた。
「もう5時半すぎちゃってるから、急がないといけないんでしょ?」
ユリに指摘された通りに、腕時計を見ると確かに5時40分を指してたから、あたしが慌ててカウンターから立ち上がると、亜美おばさんは少し待ちなさいと言って奥に引っ込んだ。
風呂敷包みとカーディガンを持ってくると、上着を娘に羽織らせた。
「まだまだ朝方や夜は冷えるからね。気をつけなさいよ。
このカーディガンはね、私が田舎から出てきた時に着てたもの。
おばあちゃんの手編みなんだよ。
それから、この中にはあんたが赤ちゃんだった時の産着とか何かが入ってる。
出産と子育ては何かと物いりだから、少しだけどあんたの結婚資金にと少しずつ貯めておいたタンス貯金も入れておいたから。
それから、これはあたしの漬けた粕漬けとおにぎり。途中でおなかが空いたら食べなさい。1日は保つよう多めに握っておいたから」