オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
――5分後。
ユリは住み慣れた家を離れて、あたしたちと一緒にタクシーに乗り込んだ。
「ウチ、亜美お母さんがお母さんでよかった……
本当に幸せだったから。
生まれて育ったのがここで本当によかった。
あんたたちと友達になれてよかった。
寂しいときは確かにあったけど、ウチは自分が不幸だなんて思った時なんて一度もなかったよ。
お母さんもいたし、みんながいてくれたから。
それにジュンがいて、今は赤ちゃんだって。
これ以上贅沢言ったらバチが当たるべさ」
泣き笑いのユリに、隣にいたチカも涙を流して応えた。
「チカだって、ユリと友達になれてよかったよ。
楽しかったし、本当にいろいろと助けてくれて。
友達になって1年しか経ってないけど、昔からの友達みたいに思えて仕方ないくらいだよ。
本当にありがとうね」
あたしは助手席で震える声を堪えながら、ユリに言った。
「今まで本当にありがとうね、ユリ。
ユリならきっと立派にお母さんをやれるよ。
新しい場所でもきっとすぐ友達を作れる。あたしが保証するよ」