オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




……眠れなかった。


なんて事はなくて。


不思議と、あたしはぐっすりと眠れた。


4時間しか寝なかったのに、夢も見ずに熟睡出来たからか、頭はスッキリとして体の疲れも取れていて。


それがどうしてなのか、自分でもぼんやりと理由が解ってた。


昨晩、ナギがいつも通りに笑ってくれたから。


そして……


あの時のキス。


いつもと変わらない、強引だけど優しく包み込む温かさをくれた。


それだけなのに、あたしはもう機嫌を直してる自分に呆れちゃう。


……でも。


やっぱりナギの腕の中は大好き。


何からも護られるみたいに安心出来て、揺るぎない力強さがあるから。


本人が好きかどうかはまた別だけどね。


だけど。


ナギが最後に言ってた事が気になる。


『気付かぬ内に、帰れ』


あれは一体どういう意味なんだろ?


『帰れ』というのは……


「別荘の部屋」へ?


それとも。


「自分の家」へ?


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