オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
考えてみれば……
自分自身が一番嫌な人間だった。
ちゃんと確かめよう、ナギに。
このまま別れたら、あたしはきっと後悔する事になるから。
もっとナギを信じなきゃ。
絹枝さんみたいに60年以上信じ抜けるか解らないけど、少なくともナギはあたしの近くに居るんだから。
あたしと絹枝さんは似てるけど、違う。
絹枝さんのような強さはあたしにはない。
自分では割合に強いつもりだったけど、ナギの事になるといつも不安で仕方なくて、とても怖くなる。
不安定で弱い気持ちになる。
ナギの何気ない言葉、表情、仕草。
そのひとつひとつが、とても大切に思えて。
自分がこんなに弱くて臆病な人間なんて、夢にも思わなかった。
彼の一挙手一投足に喜んだり、傷ついたり、哀しんだり。
「ありがとうございます……あたし、ナギに訊いてみます」
あたしがそう言うと、絹枝さんは目頭を押さえて小さく呟いた。
「それでいいんですよ。若い方には不幸になってほしくありませんから」