オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
花が咲いた浜茄子のそばでサンダルを脱いで裸足になり、そろりと右足を出してみた。
踵から先にしてつま先までゆっくりと、徐々に体重をかけながら砂に着けてみる。
砂を踏む感触は、雪を踏むのと似てる。
どちらも粒が集まったものだから、体重をかけた時に僅かに体が沈みかける感覚もあった。
……あれ?
あたしのすぐ横からさくさくと砂を踏む音がしたから見てみれば。
ふんどし一丁半裸姿のアプレクターじいちゃんが海に向かって走っているところだったけど、はっきりとした足跡が着いてた。
……???
「ちょっと、アプレクターじいちゃん!足跡が着いてるけど実体化したの!?」
あたしは風音に負けないよう息を思いっきり吸い込んで、お腹の底から声を張り上げて訊いてみたけど。
《わからんのじゃ!儂は実体化したつもりはないのじゃが、なぜか今だかつて無いほど力が漲っておる。その影響かもしれんて》
……力が漲る?
いったい何のことか解らずなかったけど、ひとまずあたしも波打ち際へ走った。