オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「すげー!イルカだ、初めて見た」
「ニャオン」
博君の肩には器用にもミクが座ったまま乗ってて、彼の体が波に合わせて揺らめいても、動じる事なくしっかりとバランスを取って対処してた。
『ありす』も初めて見たのか、イルカを指差して興奮気味に叫びながら手を振ってた。
そんな3人(?)に狩野さんが近づいて、腰に着けてたウェストポーチから何かを取り出してた。
太陽の光が海面の波にキラキラと反射してる上に、あたしから見える方角だと逆光で暗く見づらかったから、それが何なのかハッキリと判らない。
仲間外れもなんとなく癪だから、今度はそちらへ行こうと動かした。
……けど。
その前に後ろからあたしを押す力があって、突然のそれに対抗出来なかったあたしは、そのまんま浅瀬から足が着かない深みまで一気に体が押し出された。
その間、2秒くらいだと思う。
あたしは深みに沈み込むかと思ったけど、体はちゃんと浮いてくれた。
ただ、水を吸ったスカートやタンクトップが重く肌に纏わりつくから、動きを妨げて仕方ないよ。