オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
インターバル3
川村絹枝の依頼を無事に終わらせた翌日、俺たちは別荘を後にして駅にいた。
依頼を成功させた以上、別荘にいても仕方ないから帰るのだ。
川村絹枝と川村涼花は約束だったひまわりの群生地を周り皆と楽しみ、夕方に別れて別線で帰った。
俺たちも本線に乗り換えるため、移動して特急に乗った。
発車までまだ間がある時、俺は席を立った。
「ちょっと喉が渇いたな」
自分でもわざとらしいとは思えたが、案の定向かい側に座ってた杏子が大げさに騒ぎ出した。
「だめだよ、ナギ!まだ体の調子悪いんでしょ!?あたしが買ってくるから、休んでてよ」
まったく、コイツの解りやすさはどうにもならないのか。
俺は仕方ない風を装い、いつものように繰り出してやった。
「ならとっとと行け、カメアタマ。きちんと人数分買ってくるのを忘れるなよ」
俺の毒舌にいつもむくれながらも、杏子はちゃんとしてくれる。
……コイツのこの顔も見納めか。
杏子が出て行くタイミングを見計らい、俺も電車を降りた。