オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



「おまえ、赤石には今日初めて会ったのか?」


突然ナギがそんなコトを訊いたのは、あたしが観念してうどんを口にした時だったから、慌てたあたしは飲み込むのも忘れて急いで返事をしたけど。


「あはひはふへ?ひらはひ」


……自分でも何言ってんのかわかんないしっっ!!


「口に物を入れたまま喋るな、聞き苦しい」


さしものナギも眉を顰めたし。


うわ~、失敗ですよ。(涙)


あたしはうどんを飲み込むと、箸を置いて改めてナギに向き直った。


「赤石さんとは今日初めてだと思う……」


そう答えたけど、言い切れる自信がなくて語尾は曖昧に消えてった。


赤石に会った時に感じた、既視感。


単なる勘違いや気のせいかもしれないけど、それにしては無視できない程に強く心が揺さぶられた。


赤石に襲われた時はどんな感情よりも胸の奥、記憶の縁から湧き出した怖さが勝って、余計に体が動かなかったんだ。


あの時の光景がフラッシュバックしそうになったから。


小学校1年の夏に、性的悪戯を受けた時の。


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