オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
どんな些細な理由でもいい、好きな人の役に立ちたいから。
あたしは、ナギが要求するなら何でもしてあげたいと思う。
おつゆが出来て、うどんも茹で上がった。
ナギがバスルームから出るタイミングを計算して、ちょうどいい具合に晩ご飯が用意できた。
3年も一緒に暮らせば、クセや習慣なんかもわかるもんね。
ナギがお風呂から出るのは、体を流してきっかり5分後だもん。
「あ、ナギ、冷めないうちに食べちゃってね」
テーブルにうどんと酢の物を並べたあたしは言ったけど。
いつもはここで毒舌のひとつも飛び出すのに、バスタオルをカゴに置いたナギは無言のまま、あたしを見ようともしないでテーブルについた。
一言もなく静かすぎる彼の様子は、あたしに緊張感を持たせるには十分で。
お箸と七味を準備して席に着いたあたしは、食べる前に緊張感を解きほぐすために、「うどんのおかわりあるから、欲しくなったら言ってね」って言ったんだけど、やっぱり返事はなかった。
機嫌が悪いみたいでもないし、何なのかなあ、もう。