オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
赤石とあたしは車に戻る為に歩いてた。
「気付いてたの?あのアプレクター達がこうして死んだ海の生き物だったって」
あたしは重苦しい空気を打ち破りたくて、赤石に訊いてみた。
赤石はしばらく口を噤んでたけど、堤防沿いの道が終わる頃にやっと言葉を出した。
「もちろん。あのアプレクター達が気の毒で度々還してたんだが、どうにも1人では対処しきれなくて。
もし良かったら、君も協力してくれたら……と思ってここを見せたんだ」
ああ、この人は、やっぱり王子さまなんだ。
こうして控えめながらもどこまでも優しくて、ずっと独りで頑張ってきた。
マモル君も優しかったけど、この人は違う。
自分が悲しい想いつらい想いをたくさんしてきたから、他の生命の痛みや悲しみに共感して、どうにかしようと力を尽くしてきた。
胸が暖かくなったあたしは、ゆっくりと頷いた。
けど、耳をつんざく爆音が聴こえ、あたしは聴覚がおかしくなった。
あたしの目に、改造したスポーツカーが猛スピードでこちらに突っ込んでくる様子が見えた。