オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
あんなに他の生命達を想い頑張ってたひとが。
ずっとあたしを想い、支えてくれたひとが。
あたしを助けたばかりに、二度と立ち上がれなくなる。
あたしのせいで……。
声を上げて泣きたいのに、涙しか出なかった。
苦しくて、申し訳なくて。
ふと、頬に温かな感触が感じられた。
ぼんやりとした意識で見上げれば、メガネをかけた20代後半くらいの小太りの看護士さんが、あたしのほっぺたに触れてた。
「あなたの彼は今、無意識でも一生懸命頑張ってるのよ。
私たちも全力を尽くすから、彼を信じて待ってあげなさい」
そう言ってにっこり笑ってくれた看護士さんの笑顔に、ほんの少し慰めてもらえた。
そうだ、あの人も戦ってるんだから、あたしが弱音なんか吐けない。
あたしが付いてないといけないから。
これからは、ずっと。
「それでは、注意事項をよくお読みになった上で同意書にサインをお願いします。あなたは患者さんのお身内ですよね?」
医師の確認に、あたしは涙を拭って「はい」と頷いた。