オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



お父さんはいないけど、お母さんがその分まで愛してあげるからね。


だから、安心して生まれてね。


お母さんはきっと強くなるから。


あなたを守ってみせるから。




あたしは高瀬さんに付き添ってもらい、一緒に赤石さんの病室へ向かった。




彼の意識が回復した時、あたしは泣きながら“ごめんなさい”と謝り続けたけど。


そんなあたしに、赤石さんは微笑んだ。


そして、唇を動かしてこう言った。


“君が無事でよかった”……と。


それを聴いたあたしは、ただただ申し訳なくて。


泣きながら謝るのに精一杯で。


そんなあたしを、赤石さんは責めもせずに頭を撫でてくれた。


彼は二度と歩けないかもしれないと聴いても、あたしを責めたり詰ったりする素振りなんか一度も見せなかった。


でも、だからこそ苦しくてつらい。


いっそ、おまえのせいだと殴られた方がましだった。


それは、自分の責め苦に耐えきれないあたしの弱さと甘さからくる、自分勝手な願望に過ぎないけど。


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