アライブ


『亮さん…?』


機関銃を自分に向ける亮に、修二は戸惑った。


『初めて会った時、修二を…お前を撃つことなんて簡単に出来た。なのに今は修二を撃つことは出来ない…それはお前を死なせたくないからさ。お前には生きてもらいたい、こんなとこで死んで欲しくない。今の俺の1番の願いは、俺が生きて帰ることでも…妻や子供に会うことでもなくて…お前に、修二に生きてて貰いたいんだ。だから…頼む、逃げてくれ!!』


亮は機関銃を下げ、修二に向かって頭を深く下げた。


『亮さん…』


亮の真摯な思いに、修二の胸は打たれた。


『わかりました。ここは亮さんに任せます。だけど…だけど絶対死なないで下さい。必ずまた後で、会いましょう。約束です』


修二はそう言って、右手の小指を差し出した。



< 211 / 470 >

この作品をシェア

pagetop