アライブ
『亮さん…?』
機関銃を自分に向ける亮に、修二は戸惑った。
『初めて会った時、修二を…お前を撃つことなんて簡単に出来た。なのに今は修二を撃つことは出来ない…それはお前を死なせたくないからさ。お前には生きてもらいたい、こんなとこで死んで欲しくない。今の俺の1番の願いは、俺が生きて帰ることでも…妻や子供に会うことでもなくて…お前に、修二に生きてて貰いたいんだ。だから…頼む、逃げてくれ!!』
亮は機関銃を下げ、修二に向かって頭を深く下げた。
『亮さん…』
亮の真摯な思いに、修二の胸は打たれた。
『わかりました。ここは亮さんに任せます。だけど…だけど絶対死なないで下さい。必ずまた後で、会いましょう。約束です』
修二はそう言って、右手の小指を差し出した。