王子に姫の恋情を…




『ふーん、だけどあの子結構可愛いじゃん
彼方兄ちゃんに飽きたら俺のところに貰っちゃおうかな』



チッ
彩雅の奴なに言い出すんだよ!




『あんな純粋そうな子が…彼方兄ちゃんの餌食になってしまっただなんて…』



清雅はおいおいと泣き真似をしている



…どいつもこいつも勝手な事ばかり言いやがって


「お前等黙れ、それとまだ餌食になんかしていないしするつもりもない
…だから見せるの嫌だったんだよ」




俺がため息をつきながらそう言うと


双子の動きは面白いほどにぴたっと止まった





『か…彼方兄ちゃん、病気?』



彩雅が震える腕で俺を指差す



…そりゃどういう意味だよ




『真剣そうな顔して馬鹿みたいなこと言うなよ、それほどベタ惚れで手が出せないだけだって』




うっ…



鋭いところを…




『信じられない!あんな女だったら誰でも構わずだった彼方兄ちゃんが…』




痛い所をつかれたのもあり

俺は最高潮にイライラしていた



「だからお前等さっさと帰れよ!」



それで

柄にもなくデカい声を出してしまった








< 60 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop