王子に姫の恋情を…
『ふーん、だけどあの子結構可愛いじゃん
彼方兄ちゃんに飽きたら俺のところに貰っちゃおうかな』
チッ
彩雅の奴なに言い出すんだよ!
『あんな純粋そうな子が…彼方兄ちゃんの餌食になってしまっただなんて…』
清雅はおいおいと泣き真似をしている
…どいつもこいつも勝手な事ばかり言いやがって
「お前等黙れ、それとまだ餌食になんかしていないしするつもりもない
…だから見せるの嫌だったんだよ」
俺がため息をつきながらそう言うと
双子の動きは面白いほどにぴたっと止まった
『か…彼方兄ちゃん、病気?』
彩雅が震える腕で俺を指差す
…そりゃどういう意味だよ
『真剣そうな顔して馬鹿みたいなこと言うなよ、それほどベタ惚れで手が出せないだけだって』
うっ…
鋭いところを…
『信じられない!あんな女だったら誰でも構わずだった彼方兄ちゃんが…』
痛い所をつかれたのもあり
俺は最高潮にイライラしていた
「だからお前等さっさと帰れよ!」
それで
柄にもなくデカい声を出してしまった