王子に姫の恋情を…



「ちょっ!…」

今日の日直は私だから

私が持っていかないと…



私はそう言おうと彼方のシャツを掴んで目線を合わせたら




グィッ



そのまま引っ張られて

私は彼方に担がれる格好に…



「きゃぁぁぁぁぁ~!!!」


お~ち~る~!!!



奈津実に助けを求めようとしても

何故かこのタイミングで教室の中に見当たらなくて
私はそのまま担がれて教室の外へと連れ出されていった



ろ、廊下を通る人の目線が痛い…



私は最初ばたばたと手足を動かして抵抗していたけれど

足の動きをもう片方の手で止められてしまったため
手だけでの抵抗となってしまった


勿論私の手のような非力なもので彼方にダメージを与えれるわけは無く

保健室に着くまで唯一の武器の口を使ってギャーギャーと喚いているだけだった





これから

私、

生きて帰れるだろうか…




ただならぬ彼方の雰囲気に
恐怖心が私の脳内に溢れかえっていた






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