cherry blossom Ⅰ
「何見てるの?過去問?
美砂も見に来たんだぁ☆」


急いで手に持ってた過去問を隠す。
今ここでこれを出すわけにはいかない。
受けるって決まったわけじゃないし…


「あれ?ないなぁ、日向。
売れちゃったのかなぁ。」


その時通路を通ったおじさんが
私の肩にぶつかってきた。


ドサッ


隠していた日向の過去問が床に落ちる。
きっと美砂の目にも過去問が映ってる。
恥ずかしい…
穴があったら入りたいとは
正にこういうことだ。
今すぐこの場から
逃げ出したい気持ちに駆られた。


「ひ…日向って、恵ここ受けるの?
なんで、急に…」


案の定美砂は驚いてた。
そりゃぁクラスでも落ちこぼれの私が
自分と同じ志望校だと知ったら
驚かないわけないよね………。
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