cherry blossom Ⅰ
「そっかぁ…
そういうことだったんだね。」


あの後場所を近くの喫茶店に移し
先生が来たこと
授業が厳しいこと
先生の夢を聞いたこと
母校が日向だということ
そして、
自分のモヤモヤした気持ちを話した。


「恵さ、その人のこと好きなんでしょ?」


突然美砂がそんな事を言うから
持っていたグラスを倒してしまった。


「やだ、やめてよ。
相手は大学生だよ?
しかも家庭教師って…絶対ない!」


でも本当は薄々気付いてた。
もしかしたら好きかもしれないと。


相手は大人…
相手は先生…


自分の気持ちが押さえられなくなる前に
私は好きじゃないと
言い聞かせていたのかもしれない。
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