KISS OF LIFE
「東雲主任と南野課長をご存じなんですか?」

「エリート街道まっしぐらな2人だからね。

そのうえイケメンとなると、女性陣は黙っていないと思う」

森藤さんはあたしを見ると、
「君も、南野を狙う1人なんだろ?」
と、言った。

「…はひっ?」

舌っ足らずなマヌケな声が出た。

いや、あたしはその彼女なんですけど…。

ポカーンとしているあたしに、
「耳、大丈夫?」

森藤さんが聞いてきた。

「えっ、ああ…」

あたしは耳を押さえてた手を離した。

「大丈夫です」

「ならよかった」

森藤さんは微笑んだ後、すぐに真顔になった。

ゾクッ…と、一瞬背中に冷たいものが走った。

な、何だ?

あたし、風邪ひいたのかな?
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